「小学校の体育ではダンスが必修だけど、うちの子は大丈夫?」「ダンスが苦手でも授業についていける?」そんな疑問を持つ保護者の方は少なくありません。
ダンスは2012年度から中学校で必修化されましたが、小学校の体育ではそれ以前から「表現運動系」の領域として学習指導要領に位置づけられ、必修の内容として扱われてきました。しかし、必修化の背景や授業の具体的な内容、家庭でできるサポートについては詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、小学校のダンス必修化の背景から授業内容、家庭でできる準備に加え、ダンススクールに通うメリットやスクール選びのポイントまで詳しく解説します。
この記事でわかること
- 小学校でダンスの授業が必修化された背景と学習指導要領での 位置づけ
- 学年別の授業内容と評価のポイント
- 授業に向けて家庭でできる準備
- ダンススクールに通うことで得られるメリット
- 学校の授業にも役立つダンススクールの選び方
目次
小学校でダンスの授業が必修化された背景

小学校の体育では、中学校の必修化より前から、学習指導要領の中でダンスに関する領域が位置づけられています。低学年から高学年まで一貫して「表現運動系」と呼ばれる領域が設けられており、技術の習得よりも体を動かす楽しさを味わうことに重点が置かれている点が特徴です。
学年が上がるごとに内容が段階的に発展していく構成になっているため、子どもは無理なくステップアップしながら学んでいくことができます。
中学校の必修化から小学校の学習指導要領改訂までの流れ
中学校では、2008年3月の学習指導要領改訂によって武道・ダンスを含むすべての領域が必修となり、2012年度から実際の授業で実施されています。
一方、小学校では、中学校で武道・ダンスが必修化される以前から、体育の授業の中にダンスにつながる内容が位置づけられてきました。
2008年の学習指導要領改訂では、低学年の「表現リズム遊び」も独立した運動領域として整理されました。これにより、現在も低学年の「表現リズム遊び」、中学年・高学年の「表現運動」という枠組みのもとで指導が行われています。
そのため、子どもは小学校から中学校まで、長期にわたって体を使った表現やリズム運動に触れる教育課程の中で学んでいくことになります。
出典:文部科学省「武道・ダンス必修化」、文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編」
「表現運動」で重視されるのは技術よりも表現力や体の使い方
ダンスが教育課程に位置づけられているのは、感じたことを体で表現する力や仲間と関わる力を育て、生涯にわたって運動に親しむ基礎をつくるというねらいがあるためです。
小学校の表現運動系領域は、振り付けの巧拙を評価するものではありません。心と体を一体としてとらえ、生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育てることが、体育科全体の目標として位置づけられています。
そのため、授業では感じたことを自由に体で表現したり、音楽のリズムに乗って全身で踊ったりする経験を通じて、体を動かす楽しさや表現する喜びを味わうことを大切にしています。上手に踊れるかどうかよりも、楽しみながら取り組めているかどうかが重視される授業といえます。
出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編」
小学校のダンス授業の内容と評価方法を学年別に紹介

小学校のダンス関連の授業は、学年が上がるにつれて表現の幅や内容が段階的に発展していく構成になっています。学年ごとの領域名と主な内容は、以下の通りです。
| 学年 | 領域名 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 低学年(1・2年) | 表現リズム遊び | 表現遊び、リズム遊び |
| 中学年(3・4年) | 表現運動 | 表現、リズムダンス |
| 高学年(5・6年) | 表現運動 | 表現、フォークダンス |
学年が上がるにつれて、体を動かすことの楽しさを味わう段階から、仲間と協力して表現を作り上げる段階へと、学びの内容が発展していく点が特徴です。それぞれの内容について、詳しく解説します。
出典:独立行政法人教職員支援機構「小学校学習指導要領 体育科の改訂のポイント」
低学年(1・2年生):リズム遊びと体を動かす楽しさ
低学年の領域名は「表現リズム遊び」で、表現遊びとリズム遊びの2つの内容で構成されています。
軽快な音楽に合わせて体幹を中心に全身でリズムに乗ったり、動物やヒーローになりきって即興的に体を動かしたりする活動が中心です。この段階では技術の指導よりも、友達とぶつからないよう安全に配慮しながら、体を動かす楽しさや表現する面白さを実感することが重視されます。
1時間の授業の中で表現遊びとリズム遊びを組み合わせることも多く、変化のある学習の中で子どもの興味を保つ工夫がなされています。
出典:国立教育政策研究所「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」
中学年(3・4年生):表現運動とリズムダンスの基礎
中学年からは領域名が「表現運動」に変わり、表現とリズムダンスの2つの内容で構成されます。学校や地域の実態に応じて、フォークダンスを加えて指導できる位置づけになっています。
リズムダンスでは、ロックやサンバなど軽快なリズムの特徴をとらえ、リズムに乗って踊る楽しさを味わうことがねらいです。低学年のリズム遊びで身につけた感覚をもとに、少しずつ即興的な表現の幅を広げていく段階といえます。
授業の導入では、子どもが日頃から耳にしている曲を扱うことも多く、なじみのあるリズムから無理なく学習に入れるよう配慮されています。
出典:国立教育政策研究所「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」
高学年(5・6年生):フォークダンス・発展した表現
高学年も引き続き領域名は「表現運動」ですが、内容は表現とフォークダンスの2つで構成されます。フォークダンスは日本各地の民踊と外国のフォークダンスを扱う内容です。
表現の学習では、自分たちで考えたテーマをもとに、友達と話し合いながら踊りを作り上げるグループでの創作活動が中心となります。低学年・中学年で培ったリズム感や体の使い方を土台に、より発展した表現に取り組む段階です。
出典:国立教育政策研究所「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」
小学校のダンス授業の評価における3つの評価観点
小学校の体育科の評価は、他の教科と同様に「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」という3つの観点に基づいて行われます。
| 評価観点 | 評価される内容の例 |
|---|---|
| 知識・技能 | リズムに乗って体を動かす技能、運動の行い方についての理解 |
| 思考・判断・表現 | 自分やグループの課題を見つけ、表現の仕方を工夫する力 |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 友達と協力し、進んで取り組む姿勢 |
ダンスの授業においても、振り付けを正確に覚えて踊れることだけが評価されるわけではありません。3つの観点を通じて、体の動かし方や表現の工夫、友達との関わり方などを総合的にとらえる評価が行われています。
振り付けを間違えたかどうかよりも、自分なりに工夫して表現しようとした過程や、仲間と協力する姿勢が見られているという点は、苦手意識を持つ子どもの保護者にとって安心材料になるはずです。
小学校のダンス授業に向けて家庭でできる準備とは?

ダンスの授業に向けた家庭での準備は、特別な練習を積むことではなく、日常生活の中でできる工夫が中心になります。具体的な準備の内容を解説します。
日常生活の中でリズム感を育てる
音楽を流しながら手拍子をとったり、テレビの音楽番組やアニメの主題歌に合わせて体を揺らしたりするだけでも、子どものリズム感を育てる働きかけになります。特別な道具や広いスペースは必要なく、遊びの延長として日常に取り入れやすい点が特徴です。
買い物や送迎の車の中で音楽をかけ、リズムに合わせて手を叩くといった短い時間の関わりも、無理なく続けやすい方法のひとつです。
人前で体を動かす経験を積ませる
国立青少年教育振興機構の調査では、文化芸術体験が豊富な子どもほど、自己肯定感や自律性・積極性・協調性といった自立的行動習慣が身についている傾向があることが示されています。
発表会や運動会など、人前で体を動かす場面もこうした文化芸術体験のひとつと捉えられ、家庭でこうした機会を積極的に用意することは、授業への向き合い方にもよい影響が期待できます。失敗しても気にしすぎず、まずは挑戦したこと自体を認めてあげる関わり方が大切です。
出典:国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査) ~心身の諸側面、社会経済的背景との関係~」
体を動かすことを好きにさせる環境を作る
ダンスへの苦手意識を持たせないためには、「上手にできること」よりも「楽しく体を動かせること」を優先する姿勢が大切です。親子で一緒に音楽に合わせて体を動かす時間を作ることも、前向きな気持ちを育てる工夫のひとつになります。
うまく踊れない場面があっても否定せず、取り組んだこと自体を認める声かけを重ねると、意欲を保ちやすいでしょう。
小学校のダンス必修化で注目されるダンススクール|子どもを通わせるメリット

「学校の授業だけで十分なのか、それともスクールに通わせたほうがよいのか」と迷う保護者の方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ダンススクールに通うことで得られる3つのメリットを紹介します。
基礎的な体の使い方が身につく
ダンススクールでは、体幹を意識した動きや、体の部位ごとに独立して動かすアイソレーションなど、ダンスの基礎となる体の使い方を段階的に学べます。
学校の授業は限られた時間の中で多くの児童を指導するため、一人ひとりの体の使い方まで細かく確認する機会は限られる傾向があります。ダンススクールでは、こうした部分を専門的な指導で補いながら、体の使い方を丁寧に学ぶことが可能です。
プロの指導でリズム感・表現力が同時に育つ
専門の指導者から継続的な指導を受けることで、リズム感と表現力を同時に伸ばしやすくなります。指導者の本格的な動きを間近で見ながら真似できる点も、学校の授業だけでは得にくい特徴です。
細かい体の使い方やタイミングの取り方も、その場で確認しながら身につけやすくなります。
JDACダンススクールの場合、体系立てられたカリキュラムに沿って段階的に学習を積み重ねられるため、レッスンとレッスンの間に復習する時間も取りやすく、着実な定着が期待できます。
学校以外の居場所と仲間ができることで自信につながる
学校とは異なる環境で、同じ目標を持つ仲間と出会う経験は、子どもの自己肯定感や社会性を育む機会になります。発表会など人前で成果を披露する経験を重ねることで、学校の授業でも物おじせず体を動かせるようになることが期待できます。
小学校のダンス授業にも役立つ子ども向けダンススクールの選び方

数あるダンススクールの中から一つを選ぶのは簡単ではありません。学校のダンス授業にも役立つスクールを選ぶ際は、クラス編成・カリキュラムの内容・講師の資格という3つの視点で比較すると判断しやすくなります。
年齢・学年別のクラス編成があるか
発達段階に応じてクラスが分かれているスクールでは、無理のないペースで指導を受けられます。年齢や経験によってクラスが細かく設定されているかどうかを確認しましょう。
学年の幅が広いクラスに一律で参加する形式では、指導の内容が一人ひとりに最適化されにくい場合もあるため、事前に体験レッスンなどでクラスの雰囲気を確かめておくと安心です。
授業との連動を意識したカリキュラムかどうか
リズム感や表現力など、学校の授業でも必要とされる基礎能力を体系的に学べるカリキュラムかどうかも判断材料になります。学校のダンス授業の予習・復習を目的とする場合は、リズムトレーニングや表現の基礎を扱っているかどうかがポイントです。
子どもの発達や指導に関する専門資格を持つ講師がいるか
ダンスの技術指導力に加えて、子どもの発達段階を理解した指導ができるかどうかも重要な判断材料です。公的機関の研修を受講した有資格の講師が在籍しているかを確認すると、指導の質を見極めやすくなります。

出典:JDACダンススクール
JDACダンススクールでは、年少(満3歳)から通えるクラスを用意しており、年齢や学年に応じた段階的な指導を行っています。講師は全員、スポーツ庁・厚生労働省・子ども家庭庁後援の研修を受講した有資格者です。
リズム感や体の使い方の基礎から丁寧に指導しているため、学校のダンス授業に向けた土台づくりを目指す家庭にとってもおすすめです。
まとめ

小学校のダンス授業は、中学校の必修化とあわせて、低学年から高学年まで一貫して「表現運動系」の領域として位置づけられています。学年が上がるにつれて内容は段階的に発展しますが、いずれの学年でも、技術より体を動かす楽しさや友達との関わりが重視される点が共通しています。評価においても、振り付けの正確さではなく、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度という3つの観点から総合的に見られる仕組みになっています。
家庭でできる準備は、特別な練習ではなく、日常生活の中でリズムに触れたり、人前で体を動かす経験を重ねたりする工夫が中心です。さらに、より専門的な指導を受けたい場合は、ダンススクールを活用するのも一つの方法です。基礎的な体の使い方やリズム感、表現力を体系的に身につけられるため、学校のダンス授業への自信にもつながるでしょう。

出典:JDACダンススクール
JDACダンススクールでは、年少(満3歳)から中学生まで、年齢や学年に応じたクラス編成のもとで、有資格の講師が一人ひとりに寄り添った指導を行っています。小学校のダンス授業に向けた基礎づくりを検討している方は、まずは無料の体験レッスンから雰囲気を確かめてみてください。
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一般社団法人ダンス教育振興連盟JDACは、スポーツ庁・厚生労働省・こども
家庭庁・各教育委員会後援のもと、全国各地で延べ30,000人が受講しているダ
ンス指導研修会を主催。文部科学省の学習指導要領に基づいた内容で、ダンス
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この記事を監修した人
一般社団法人ダンス教育振興連盟JDAC 代表理事 久岡 和也
「ダンス×教育」をライフワークに、大学・専門学校の委員・講師、学術団体委員、ダンス大会審査員などを歴任。
「ダンスで社会に新しい価値を創る」という理念のもと、教育型ダンススクールの全国展開や、高齢者向け介護予防プログラムの開発など、企業・自治体と連携した社会的取り組みを推進。
一般社団法人日本盆踊り協会 共同代表、一般社団法人日本スポーツチームアセスメント協会 理事、スポーツ産業推進協議会 委員として、「教育」「健康・スポーツ」「文化」を中心に活動領域を広げ、各分野の発展に寄与している。
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